2015年9月26日土曜日

ミャンマー旅行記 -通貨と通信事情-

バガン遺跡群。マジ壮観

タイに住んでなかったら間違いなく言ってなかったであろうミャンマー。

友人がバガンの遺跡群の写真をinstagramに上げていたのを見て「こりゃ行かないと」と想ったのがキッカケ。

結論から言うと、バガンの遺跡は本当に素晴らしかった。
ヤンゴンのシュエダゴンパゴダも素晴らしかったけど、バガンの方が好き。

もう一つの感想としては、今まででお金の持ち方が一番難しかった国ということ。
これは、自分があまり発展途上国に行っていないだけかもしれないが、かなり印象的だった。

これから行ってみたいという人もいるかもしれないので、
旅のインフラ的なものを記録しておこうと思う。



通貨


現地通貨は「Kyat(チャット)」。
レートは大体、1ドル=1000チャットと考えればOK。



外貨調達 -現金両替-


ミャンマーに渡航する前に、事前にUSドルを用意しておいたほうが良い。
というのは、日本円は、ミャンマーではメジャーではない。USドルかユーロが主流。

空港では日本円も両替可能。
しかし、ヤンゴン市内に行ってしまうと日本円では両替できないところもあり不便が生じる。



外貨調達 -ATMでのキャッシング-


クレジットカードによるATMでのキャッシングを勧めているサイトもあり試してみた。
が、我々はどういうわけかATMに拒否され続け、結局キャッシングできなかった。

また、引き出したい金額を任意に入力できない。あらかじめATMで設定されたいくつかの金額から選択する。
最低キャッシング額が50,000チャットに設定されていた。少額のチャット入手には不向き。

いずれにせよ、日本円はメジャーではなく、キャッシングも機械任せになってしまうため、現金でピン札のUSドルを持っておくのが一番安全。



USドルを持つ際の注意点


ここで注意したいのが、USドルはピン札でないと受け取りを拒否される可能性が高いということ。

「そんなことないだろー」と思っていたが、折り目のついていただけの綺麗なドル札が本当に拒否された。しかも、かなり小綺麗なバーで。

こう書いてしまうとツッケンドンに返されてしまう印象だけど、そういうことではなく

「すみません、折り目の付いてない札はないですか?」

的なやんわりとした拒否をされる。
場所によるのかもしれないが、ピン札がベター。財布にしまう際も注意しておきたい。



USドルはそのまま使える?クレジットカードは?


USドルがそのまま使える店もある。しかし、高級な店かオシャレな風貌の店、もしくはホテルに限られている。数はあまり多くない。

また、クレジットカードが使える店も先述の店に限られる。ローカルな場所を旅したいのであれば、クレジットカードはまず使えないと考えて良い。カードを使いたい場合は事前にカード使用可否を確認しておく必要あり。



モバイル通信環境の確保 -プリペイドSIMを購入


旅先でスマホをいじり倒すことはその場所の景色を見逃す機会が増えてしまうわけだが、Googleマップが使えるか使えないかで、旅の効率は大幅に変わる。
そのため通信手段を確保することに対しての優先度はとても高く設定している。

Pocket Wi-Fiのレンタルサービスを借りるのも手だし、事前に準備ができてラクなのだが、現地にプリペイドSIMがある国であれば、SIMを購入することにしている。単純にスマホでダイレクトに通信できたほうがすぐに使えるし便利。ポケットWi-Fiの電池も気にしなくて良い。

そうしているうちに、現地のプリペイドSIMを購入するのは一つの趣味と化した。

現地のSIMを使用すると購入方法や価格、通信速度などから、その国の通信事情を把握できる。別に把握する必要はないのだけど、これは趣味。奥さんにも了解を頂き、購入の時間を割かせてもらっている。

幸い、去年からミャンマーもプリペイドSIMを取り扱っているとの嬉しい情報あり。



購入方法


到着ゲートを出て無数のタクシーの勧誘を抜けると、通信キャリアのブースが並んでいるので、見つけることはとても簡単。事前Google調査の結果、3〜4社あるうち最も使い勝手の良いと書かれていたOoredooを購入。

プリペイドSIMの外箱。文字化けしているかのようなビルマ語が旅行感を高める

意外だったのはNano SIMが売っていたこと。

発展途上国の場合、プリペイドSIMは売っていてもサイズがmicro SIMまでの場合が多く、
SIMカッターを使ってサイズ調整する風景をよく見かける。プリペイドSIMの取り扱い自体が新しいから、はじめからnano SIMの生産が行われていたのかもしれない。

<価格>
  • SIMカード代=1,000 kyat
  • 500MB分のネットワーク用トップアップ=4,500 kyat
合計5,500 kyat だったと思う。

ドルかクレジットカードで買おうとしたら、「チャット現金払い専用だよ」と言われたため、現地通貨での現金必須。



モバイルネットを開通させる


SIMを購入した後、SMSによるアクティベートが必要。
ビルマ語は解読が非常に困難なため、店員に電話を渡してしまうのが良い。

iPhoneを手渡したところ、高速タイピングで手際よくサササッと手続きを終えてくれた。その場でネット使用可否を確認(発展途上国はこれが重要)し、問題ないことを互いに整合。

店「今は+500MBのボーナス付きだよ」
俺「ってことは、1GB使えるんだよね?」
店「いや、500MB+500MBだよ

というよくわからないやりとりを終えて、店を後にする。結局、600円くらいで合計1GB使えることになった。



通信速度


速度テストの結果、ヤンゴン市内は安定して下り3Mbps、上り1Mbps弱。

ヤンゴン市内の通信テスト結果

発展途上国でこの速度はまずまずといったところだろう。時々通信が途切れるけど、ストレスになるものではない。



使用可能エリア


ヤンゴンではどこでも問題なく使えたが、バガンでは屋外でもギリギリ使えるか使えないか、といったところ。建物の中に入るとほぼNG。



Wi-Fiはあるか?


ヤンゴンは、中心地に行くとおしゃれな風貌のカフェもチラホラある。オシャレな風貌のカフェには、フリーWi-Fiがあるとこも高い。
店員に「Wi-Fiあります?」と聞いてみると良い。

場所によると思うが、我々が使用できたWi-Fiはどれも激遅。
上り下りともに0.1Mbps以下くらいだったかな。速度テストが立ち上がるかどうか、といった所。

「今月の支払いしてないからすごく遅くなってるんだ、ごめんね」なんて店もあり、なんかホッコリ。

まぁ、そんな環境でもLINEのテキストのやりとり程度には不自由しない。
ということは、グループで旅行しても別行動ができる。
プリペイドSIMが無くとも、連絡をとりあう時間を決めてカフェを探し、互いに連絡を取れば良い。

連絡する時間が近づいたらカフェに入って暑さやスコールを凌ぎ、休憩がてらフリーWi-Fiを使ってLINEで連絡をとりあって待ち合わせ場所を決める、なんて使い方も可能。ヤンゴン中心地であればカフェは容易に見つかる。



次回記事では、交通事情について触れようと思う。

2015年5月10日日曜日

ペルー・ボリビア旅行記 番外編 -空港で怪しまれた-

ウユニ塩湖の記録で終わらそうと思っていた旅行記。



だが、一つ、面白い体験を思い出したので記録しておこうと思う。

体調最悪状態から回復した、帰路の中継点、ヒューストンで起こった話。



リマの空港でチェックイン


リマに到着した時は、ウユニ・ラパスでの体調不良のヤマを超えていた。

リマからはヒューストン→成田→バンコクという乗り継ぎがあるものの、United Airで航空券を一括手配しているため、リマでチェックインを終わらせてしまえばスーツケースをピックアップすることもなくバンコクまで到着することができる。

張っていた気も緩み、健康状態も回復して無事にチェックインを完了。

発券された航空券に少し見慣れない文字が書かれていたが、あまり気にせずに最後の南米空港を満喫した。

もう、バンコク到着までのネガ項目はすべてクリアーしたと確信し、次なる中継地点のヒューストンに向かった。



ヒューストンで乗り換え


ヒューストンの空港で入国手続きを済ませ、乗り継ぎのためそのまま保安所に向かう。すると…

なんか、デカイアメリカ人が「あなた達はコッチ来て」と。

夫婦ともども、保安所に並ぶ搭乗客とは違うルートで検査機に向かう。

英語が達者ではないので、色々言われていたが完全には理解できず、かと言って「Yes」と言ってしまうとなんだかヤバイ気がして曖昧な返事をしていた。



乗客員に横入りするような感じで検査機に到着。

「じゃ、検査機を通ってみて」

とデカイアメリカ人に促される。他の人は普通に検査機に入るだけで流れ作業なのに、何故か我々は検査員にガン見されている。

ここまでの奇妙な行動でうすうす感じていたが、「よくわからないけど、俺たち怪しまれてるんじゃね?」という疑問が確信に変わっていった。



しかし、我々は何も悪いことをしていない。アメリカの検査はうるさい厳しいことも前情報で掴んでおり、怪しいと思われるものはお土産としても買っていないし持ち帰っていない。「これは大丈夫よ」と言われていたコカ茶のティーパックですらここまでの道程で捨ててきた。

これ以上変に怪しまれないためにも、この状況に萎縮せずにできるだけ堂々としていることが一番だと思い、堂々と検査機に入る。

往路と同じ、普通のゲートではないCTスキャンの筒が縦になったような検査機である。バンザイをした状態で検査機に入り、グルッ!とセンサーが回る。



ここで予想外の出来事。検査機のセンサーに引っかかってしまった。

検査機が鳴ることなんて、普通でもあまりあることではない。



なんでこんな変に怪しまれている状況で鳴ってしまったのか…

自分でも、何が原因で鳴ったのかわからないまま、探知機でのボディチェックが始まった。

ベルトもしていない、時計も外した。ケータイもカゴの中である。

「なんだろう…」と思っていると、お腹をさした時点で探知機が「ピュイーーーン」と反応した。




お腹?




パっとシャツの裾を上げ、ヒートテックに覆われたお腹を見てハッとした。

そう、私は数時間前まで、極度の体調不良で下痢に襲われていた。



下痢緩和を図り、私のお腹には、剥がし忘れたはるオンパックスが貼られていた



既に冷えきってしまい機能を果たしていないが、



黒い粉末を白い袋に包み、
お腹に貼って、
シャツで隠して、
検査機を通った



という客観的な事実が発生した。

当方が隠し持っていた黒い粉

「なんだこれは…?」的なアメリカ人の反応。お腹からはるオンパックスを剥がすよう促され、手渡した。

それはそれは、使命を全うし終えたはるオンパックスを慎重にチェックしている。

アメリカではホッカイロの存在がメジャーではないのかもしれない。その手つきは、警察密着24時で袋に小分けにされた白い粉末を扱うソレ、もしくは爆発物等の危険物を扱うアレと完全に一致していた。

凄い体格のアメリカ人がホッカイロを怪しんで、そーーーっと触っているという光景のあまりのシュールさと、「これをどうやって説明すれば穏便に済むんだ」という頭のフル回転により、私の顔は自然と笑顔になっていた。

一応、つたない英語で「これは暖かくなるためのツールで、もう使い終わっているから冷たい」的な表現をしてみるが、「は?」みたいなリアクションを見せ話を聞いてくれない(たぶん私の英語の意味がわかっていないのが9割)。こんな時の頼りのチート「Google画像検索」も、スマホが検査対象になっているため手元に無く、発動できない。

その後、はるオンパックスは検査紙のような何かで入念に拭かれ、紫外線があたっているようなセンサーに当てられたり、他の人にみせられたりされて、保安所のアチコチを暫く彷徨った。

この時には既に開き直って「まぁ変に怪しまれていきなり取調室に連れて行かれるよりは、この場でアレが入念にチェックされて問題ないって分かられたほうがいいや」と思い、その光景を楽しんでいた。



はるオンパックスが色々なアメリカ人に触られている間、私のカラダもリュックの中身も入念にチェックされた。ビデオカメラや常備薬入れなども全部紙で拭かれて何かをチェックしている模様だった。

はるオンパックスを差し出された空港のスタッフの方達は決まってこちらをチラチラ見てくるし、面白いを通り越して「なんかホッカイロで騒がせちゃってスミマセン」的な感情が湧いてきた。



それからほどなくして、検査も終了。どうやら無罪放免となったらしく開放された。

その時間、30分位はあっただろうか。保安所でこんなに時間を使ったのは初めてだ。

もちろん、さんざんお騒がせした冷えきったはるオンパックスは、その場で廃棄された。アディオス、トラブルの原因。



奥さんと合流し、聞いてみたところ、同じように手荷物を根掘り葉掘りチェックされ、同じように楽しんでいたようだ。

奥さんの場合、おみやげに買ったアルパカの人形も入念に拭かれていたことが面白かったと言っていた。

ヒューストンで丁寧に拭かれたアルパカ氏

奥さんがこういう状況を楽しんでくれる人でよかった。



原因を調べてみた


そもそも、なんでこんな目にあったのか。

いきなりチェックイン時に「はいこちら~」と案内された段取りの良さから、その場で怪しまれたというよりは何かしら決まっていた行動のように思えた。



気になったのは、航空券に感じた違和感。

ふとチケットを見返してみたところ、見慣れない "SSSS" という文字が印刷されていた。

外部サイトより転載。
光り輝くSSSSの文字

帰国後にネットで調べてみたところ、

Secondary Security Screening Selection

と呼ばれるシステムらしい。

これに選ばれた人は、特別に厳しい検査を受ける対象となるとのこと。



色々調べていると、このシステムに選ばれる条件として

  1. 片道の航空券しか持ってない人
  2. 監視リスト(watch list)に載られた人
  3. 航空券を購入する時、身分証明(IDやパスポート)を提出してない人
  4. 無作為(ランダム)選択


とのこと。3.と4.が当てはまる。

面白おかしくSSSSを説明しているこの記事が一番わかり易い。



他の記事では、目的が爆発物の検査的な事も書かれており、

はるオンパックスの砂鉄=火薬
腹に巻く=自爆テロ

そんな可能性を持たれていたのかもしれない(厨二病の憶測ですが)。

そりゃ、爆発物の検査となれば、どんな物も慎重に扱うのは当然である。



リマからバンコクに戻る日本人、っていうのが珍しくて引っかかったんだろうか。

それとも単なるランダムで選ばれし者になったのか。

SSSS対象になった根拠はわからないが、色々検査をされた理由が"SSSSとチケットに書かれていたから"、ということは明確になりスッキリした。



ただ、1回SSSSに選ばれると次回も選ばれる確率が高いとのことで、なんだか面倒だ…

常に選ばれし者で居続けなくてはいけないと思うと、マジめんどくさい。

唯一のメリットは、チェックインから保安所までエスコートして頂けるということだろう。



まぁ、アメリカ大陸に降り立つことなんてこれから先何度あるかわからないが。



皆様もSSSSと記載されたチケットが発券されたら、どうぞアメリカの最上級の検査を楽しんで下さい。



ちょっと違う体験をしたければ、

はるオンパックス、お勧めです。

(まだあったかいやつだと、もっと騒いじゃうかな…)



2015年5月7日木曜日

ペルー・ボリビア旅行記 -ウユニ塩湖-

新婚旅行の最終目的地、ウユニ塩湖。

当新婚旅行はマチュピチュ・ナスカ地上絵を大きな目的としていて、ウユニ塩湖は「意外に休み取れたから行っちゃおうよ」的なノリで行った。



結果、一番思い出に残る場所となった。



「奇跡だ!」と思える風景って、滅多にないと思う。

この素晴らしさは、言葉でも写真でも表せない。

過酷だったけど、本当に行ってよかった。



過酷な環境であるが故、あの奇跡の景色があるのだと思う。



ウユニ塩湖でやったこと


  • 塩の目を見る
  • 塩原でピクニック
  • トリック撮影
  • 塩のホテル(ルナサラダ)に泊まる
  • ウェディング撮影
  • 水面に移った姿で遊ぶ
  • サンセットを見ながらホットワインを飲む



塩の目


ウユニ塩湖に入る車はランドクルーザーが主流。
一番タフなのだという。さすがだぜ、Made in Japan!!

荒野から塩湖に入り始めてまだ白い景色が始まらない段階で、塩の目を見ることができる。

塩原が割れていて、塩分濃度の高い塩水が湧き出ている。

リウマチに効くらしく、現地の老夫婦が塩の目に入りに来ていた。

湧き出ている部分。ポコポコ言っている


リウマチを緩和しに来ていた老夫婦


すげー仲良さそうでホッコリ

老夫婦を見てホッコリしたあと、いざ塩原へ。



塩原でピクニック


塩の目から暫く車を走らせると、辺り一面が真っ白の世界になる。

塩の白と、空の青のみ。これだけでこんなに素晴らしい風景になるとは。

白と青と我々のみ

そこにテーブルを置いてピクニック


持参した三脚


昼食の準備


最高か!


体力補給に最適な、糖分たっぷりコーラで乾杯




ピクニックで食べたもの:
  • ボリビアでよく食べられるというカツレツ的なもの
  • キヌア(最近世界で注目されている穀物。ボリビアの主食)
  • サラダ
  • コーラ(酸素が薄いため糖度の高い飲み物が良い)

何を食べたって、この環境ではうまく感じる。



その他、塩湖を移動している時に、初代塩のホテルやダカールモニュメントにも立ち寄った。

初代塩のホテルはいま休憩所と土産物屋になっている
様々な国旗が自由に立てられている

ダカール・ボリビアのモニュメントを発見



トリック撮影


塩原に来たら、やっとかなくてはいけない。

限られた時間で、色々試してみたが、なかなか難しかった。

距離感を混乱させるのがトリックのタネであるため、背景が綺麗にボケてしまうような良いカメラは撮影に向かない。

どれだけ絞っても、ボケてしまう。

安いコンデジやスマホくらいのスペックのほうが、綺麗に取れると思う。
ボケてしまうとトリックにならない。

指人形と戦ってみる


エッフェル塔を倒してみる


巨人になって踏んでみる

ガイドさんに言われるままにジャンプ
(トリック写真ではないです)


意外に難しいし、そこまで拘らなくてもいいのだと思う。

こういう遊びはほどほどにして、限られた時間の中でもっと塩湖自体の素晴らしさを肉眼に焼き付けたほうが良い。



塩のホテルに泊まる


塩原で遊んだ後は、一旦休憩。

ウユニ塩湖に2泊3日いるため、塩湖内のホテルに泊まることにした。


午後にまた再出発するまでの間、ホテルでゆっくり休憩をとる。

ガイドさんは3~4時間ほど休憩時間を設けている。


「いやー時間が勿体無いな…」と思ってしまうが、ガイドから昼寝を勧められたため、とりあえず興奮を抑えてベッドに横になったら即爆睡。

アドレナリンに隠れて肉体は既に疲弊しきっていた。


酸素の薄いこの環境であることを忘れてはいけない。

存分に遊ぶためには、休憩こそしっかりと取らなければならない。


塩のホテルは3〜4箇所あるらしいのだが、我々はルナサラダというホテルに宿泊した。

壁や床はすべて塩で出来ている。

入り口

入り口から想像できない素敵なロビー

廊下

部屋のベッド


部屋の一部。すべて塩

入り口からの景観。絶景


入り口から外を見渡すと、朝はビクーニャが走り回っている風景も見れた。

ビバ自然。素晴らしすぎる。



いざ、天空の鏡の世界へ


昼寝をしっかり取ったら完全にダルくなってしまい、今日はもういいよ、とか思ってしまう始末。


しかし、人間が脳に分泌するアドレナリンとは凄いもので、塩湖に入った瞬間にそんなダルさも吹き飛んでしまう。

それほど大きな衝撃の景色を見ることができる。

衛星写真でもハッキリとわかるとんでもない広さで、高低差が50cmしかない。

ただただ広がる平らな地平線で、精神と時の部屋にでもいるんじゃないかという錯覚。



ウユニの雨季は1月〜3月。この時期は鏡面の世界を見ることができる。

我々が訪れたのは4月中旬であったが、とてもラッキーな事に、乾季に入っていたが数日前に雨が降ったらしく、水が薄く張っている箇所を容易に探すことができた。

とりあえずジャンプ


ヌルマユの旗を持ってパシャリ


風が強く波紋が出てしまう。しかも寒い

上の写真を見てもわかるように、初日の塩湖は風が強めで水面に綺麗に写らなかった。



ウェディング撮影


「せっかく行くんだから、バカみたいなことしようや」

ということで、タイから安いウェディングドレスを持ち込んだ。

ここでウェディング的な撮影をしてしまおうという魂胆。

初日は風が強かったものの、明日が良くなるという保証もないし、やってしまおう!ということで、下記。

ランクルの上で


トリックアートと合わせて


塩原に立って




うちらぐらいだろ、こんなことしてるの!

と思ったものの、結構同じことを思いついた方は多いらしい。

わざわざ30時間もかけて来るのだ、皆様気合が入っていて当然である。



ウユニ塩湖1日目、とてつもなく感動はしたものの、風が強くベストコンディションではなかった。

明日は風が消えることを願って、早めに就寝した。



塩湖 2日目 天空の鏡リベンジ


我々はつくづくラッキーだ。

2日目、風が一切なくなった。本当に水面が鏡となっている。

ここぞとばかりに遊んだ遊んだ。

綺麗に写っている


太陽もバッチリ2つ


まぁ、定番ですね


頭に後光をと思ったら、
偶然にも水面の太陽がキンタマリオ


日が落ちてきても無風


テーブル

当たり前のことだけど、水面で遊ぶと水が跳ねるので下半身は完全防水仕様。

当方は、ゴアパンツ+ゴアトレッキングシューズ。

ツアー会社が長靴を用意してくれていたが、バカの大足のため入らず。



サンセットを見ながらホットワインを飲む


夕日になってきたところで、ガイドさんがホットワインを準備してくれた。最高である

夕日


ベストショットの1つ
フラミンゴの群れを撮りに行った別の団体さん
と私の三脚


もう最高


ホットワイン会場
思い出すとグッと来る


とにかく、360°すべてが夕日で、
アングル別に色が違う


無風最高!!


当旅のベストショットでしょうか


嫁さんも大満足


日が落ちる瞬間が素晴らしすぎる

これ以上に素晴らしい夕日を、これからの生涯で見る自信がないと思ってしまうほど感動した。

無風状態の塩湖で、ホットワインを飲みながら夕日が沈むまでボーっとしていた時がこの旅の一番のハイライトだと思う。



時間ごとに天候が変わってしまう標高の高いウユニにて、2日目で鏡面リベンジが出来たのは、本当にラッキーだった。



番外編:夜空撮影


わざわざ持ってきた三脚もあることだし、夜空を撮影してみた。

何もないし、水面の下は白い塩原のため、月の光が反射してなかなか星が映らない。

テレビでよくやっている「新月の時がベスト」という意味がわかった。





15秒くらいシャッター開けてこれ
本当は真っ暗です





ここの素晴らしさは、写真でも言葉でも表せない。
とにかく、360°の地平線・水平線にひたすら酔いしれながらぼーっとするのが一番。

「地球ってデケェな…」というアタリマエのことを真正面から改めて実感した。



そして


ウユニ塩湖で丸2日間遊び倒した翌日。

塩のホテルのベッドの上で私を襲ったのは、極度の体調不良。


頭痛・寒気・下痢・吐き気。一気に襲い掛かってきた。


温度差による風邪か、高山病か、食あたりか、はたまた全部か…

ウユニ塩湖初日、「もうこの後の目的地はないし」と思って、この旅で控えていたビールを飲んだ。

それが祟ったか、ピクニックで食べた生野菜があたったか、単なる体力切れか。


2日目からお腹の調子が悪かったものの、整腸剤と正露丸糖衣Aでなんとかなっていた。

3日目、どうしようもならなくなった。

当時の私は、原因を考えられるほど余裕が無い。



これから36時間の大移動をするコンディションとしては最悪である。

室温の上がらないランクルに耐えつつ、空港の到着を待つ。



空港に着いても、空港が寒い。

なんとかカラダを温めようと、フライトの時間までホットココア等を飲んで暖を取る。



まぁ、効かないこと効かないこと。



飛行機に乗る前に出す物は全部出して、うずくまりながら出発。

お世話になったガイドさんに丁寧な挨拶もできず、最終目的地を発った。



1時間後、最初の中継地、ラパス(標高3,800m)に到着。

少し時間があったので、一旦街まで行ってスーパーなどで買い物をしたが、体調は一向に回復せず、楽しめなかった。

我々のために時間を割いてくれたラパス在住日本人の方には、本当に申し訳ないことをした。




ラパス発の飛行機内では、真冬の格好+蒸気でホットアイマスクのフル装備で就寝。

中継地点、サンタ・クルス(標高400m程度)で一旦着陸した時には、回復が始まっていた。



このことから、恐らく、酸素が足りていなかったのだと思う。

登山家 栗城氏の「酸素があればなんでもできる」という言葉を痛く痛感した。



その後の中継地、リマではマックを食べられるほどに回復。

トランジットの成田空港では、意地でもビールと最後の寿司を煽る。

タイ到着時には、元気な状態まで回復していた。



<中継地点ごとの回復具合>
  • ウユニ = 死亡、ココア飲むのも辛い
  • ラパス = 死亡、バナナジュースを飲んで少し落ち着く
  • サンタクルス = 快復開始、ひたすら睡眠
  • リマ = ほぼ快復、マックを食す
  • ヒューストン = ほぼ快復
  • 成田 = SAPPORO生と寿司でメンタル100%快復
  • バンコク = 全快

まぁ、よくこんだけ乗継したもんだ。回復して本当に良かった。



塩湖にいる時はアドレナリン全開のため、その時は気づかないが、体力が恐ろしく消耗している。

気を抜いた瞬間に自然の猛威が襲ってくる。

ウユニ塩湖は、そんな過酷な環境と奇跡の空間が隣り合わせである。



そのため、もう一度行きたい!とは気軽に言えないが、これだけは強く言える。





人生の中で一度は行っておくことをオススメしたい。





できれば、体力のあるうちに行った方が、心から楽しめると思う。





で、休み後の出勤


出勤してすぐ、ニット帽の境界線でオデコの日焼けがツートンカラーになっている顔をスタッフに笑われた。

紫外線マジで強い。顔パリパリ、境界線くっきり。

お陰様で、長期休暇を取った気まずさも緩和し、めでたく終了。



時間も金も相当使ったものの、何の後悔もないグレートジャーニーだった。



南米はとにかく自然のスケールがでかい。

ブラジル、チリ、ガラパゴス(エクアドル)辺りにも行ってみたい。




まとめ



  • 塩湖には2泊以上泊まったほうが良い
  • よく遊ぶためには、時間を惜しまずよく休む
  • 着込んでも着込みすぎることはない
  • 下半身は防水仕様で(遊ぶと塩湖の水が跳ねる)
  • カメラ好きなら三脚は必須
  • 紫外線半端なし。サングラス・日焼け止め必須
  • ツアー会社が長靴を用意しているか確認
  • トリック写真にムキにならず、自然を楽しむ
  • 体力のあるうちに行くべし