2014年6月29日日曜日

ペルー・ボリビア旅行記 -シャーマンの村、Huasaoで占ってもらった-

クスコに立ち寄った際、ひょんなキッカケでシャーマンの村、Huasao(ワサオ)に訪問した。
そして、本物のシャーマンに占ってもらった。



なんで行ったのか


Huasao訪問は、ペルー人のガイドさんの提案。

当初、我々夫婦はクスコは休憩場所として考えていた。
代理店との事前やり取りの中では、コリカンチャサクサイワマンといった
ガイドブックにも載っているある程度有名な遺跡のツアーが組み込まれていた。

が、ネットで情報を調べた結果、特に琴線に触れなかった。
翌日には遺跡最高峰のマチュピチュに行くし。
街全体が世界遺産であるクスコの雰囲気を楽しんだほうがいいんじゃないか、と。

ということで遠出はせず、休憩がてらクスコの街を歩いてブラブラする、という計画にしていた。
それをペルー人の現地ガイドに伝えると、
「いやー、良い街だけど狭いし、暇になるよ。僕もどうせ暇だし、どこか連れて行きますよ?」
ということで、何個か候補を挙げてもらい、Huasao訪問が追加されたのだった。


我々夫婦は占いの類は一切信じないし、浪費した事も勿論無い。
そのペルー人ガイドさんも、少し前までは全く興味を持っていなかったらしい。
ある日、シャーマンに占ってもらった時にことごとく当たり、
それ以降信じるようになったとの事。

それをゴリ押ししてくる人だったら信じなかったのだが、
控えめなガイドさんだったので、なんとなく信じてみようと思った。
※あくまで契約ガイドさんであることが前提。通りがかりの人ではないです。

シャーマンの知識なんて、ビックリマンのシャーマンカーンとジャンプコミックのシャーマンキングくらいしかない。まさかこの旅の中で本物に会えるなんて思ってなかったし、その専門家の村が存在しているとも思っていなかった。

想像もしていないプランだったが、結構心が踊った。
占い自体にではなく、シャーマンの村という響きがとてつもなくカッコイイ。




Huasao到着


クスコの街から車で1時間弱走ると、Huasaoに到着。

村と聞いていたので、土の道に藁葺きの小屋が点々とした風景を想像していた。
が、確かに田舎ではあるものの、道も家も電気もある。

でも、なんか、到着した時点から、ちょっと空気が違う。
張り詰めたような緊張感があるし、街全体がやけに静か。
山に面した集落
人気(ひとけ)が少ない
ゴミ箱
子連れのお母さん発見
みんなシャイ
静かな村で、少し空気が違う感じは夫婦ともに感じていた。




シャーマンを訪ねた



ソリッドな鉄のドアに独房のような窓があるだけの、
そんな感じの無機質な家が並んでいる。これらがシャーマンの家なのだという。

訪問当日は土曜か日曜でシャーマンも休みの日だったらしく、
お目当てのシャーマンには会えなかったが、その日に占ってくれる方にお願いすることにした。


シャーマンの家1 
シャーマンの家2

鉄のドアの一つが開くと、クシャクシャの普段着のおじさんが出てきた。
何か助手的な人なのかもしれない。

そのクシャおじさんに案内されて一軒家の中に入ると、
ヒンヤリした何もない正方形の部屋になっていた。
壁に木のベンチだけが置いてある。待合所になっているっぽい。
その待合所から通じる部屋が占い部屋になっていて、一人ずつ入って占ってもらう。
最初は自分から占ってもらうことになり、奥さんは待合所で待機。

シャーマンはケチュア語という民族の言葉を喋るため、
ガイドさんに同席してもらい通訳をしてもらった。




占ってもらった


占い部屋に入ると、コカの葉っぱや十字架やロウソクなどなど、
いかにもな占い道具が並べられており、いよいよ、といった雰囲気。
さて、どんな格好のシャーマンが出てくるんだろう…

想像していたシャーマン
インディアンですよね

と思ったら、クシャおじさんが椅子に座り、占いを始めた。
普段着のクシャおじさんが、シャーマンだったのだ。

一気に胡散臭さを感じざるを得なかったが、もう後には引けない。
でも、むしろこういうスタイルのほうが現実味はあるのかもしれない。
そう思い込んだ。

袋に入っている乾燥したコカの葉っぱをテーブルに投げて、
そのうち1枚を手に取り、シャーマンがおもむろに喋り始める。


そして、話した事の通訳が始まった瞬間から、
疑いの心は木っ端微塵に破壊された。


怖い。言う事言う事が、とにかく当たっている。
すんごい当たってる。マジでなんなの。
一通り家族の近況や仕事の現状をズバズバと言われ、絶句。
ちょっとでも疑ってゴメンナサイ。

その後、コカの葉っぱやタロットを使って今後の家族や仕事、
あとは自分が聞きたいことを聞けばなんでも占ってくれるのだが、
結構悪いことだったり良いことだったり、ズバズバ言ってくる。
近況を完全に言い当てられた後のコメントは、良いことも悪いこともかなり刺さった。

良いことしか信じない。
悪いことは信じないが、気にはしておこうと思う。
もう、そうとしか言えない。



シャーマン「聞きたいことはもう無いか?」
俺「はい、無いです。」
シャーマン「じゃ、立って」


そう言うと、生卵を持った手を俺の頭に触れながら喋り始めた。
その時は通訳もなかったから、何を言っていたのかはわからない。
日本で言うお経のようなものなのかもしれない。

「このまま生卵を頭で割られたらどうしよう・・・」
とか、しょうもない事を考えていた。

で、ひと通り終わると、水の入ったコップにその生卵を割って入れた。
入れた際に出た泡や白身のメラメラした輪郭を見て、


シャーマン「これはさっき話した⚪︎⚪︎の悪い部分だ。かき混ぜれば治るからな」


と一つ一つ説明してくる。はい、お願いします(すでに信じ切ってる)。
黄身をかき混ぜるコップをボーッと見ていたら、次の一言で戦慄。


シャーマン「上半身ハダカになって、下もズボンを下ろしなさい」


えっ!マジかよ!!
この場所でパンツ一丁になるわけ!?

黄身をかき混ぜたコップの中のこれ、かけられんの!?とか、
焼き印とかされんの!?とか、色々な想像が一瞬にして駆け巡ったが、
一番不安だったのは、奥さんもコレやらされんのか!?ということ。

俺が待っている間は、占いの部屋は奥さんはシャーマンとガイドさんの3人になる。
それが不安だったが、何かあれば部屋に飛び込むしかない。
とりあえず、自分のミッションを終わらせよう。



パンツ一丁の状態でやらされたことは、大した事ではなかった。
シャーマンが新たに取り出した瓶の中に入っている液体を全身に浴びること。
聖水のようなものなのかもしれない。単純に服が濡れるから脱がされたのだ。

生卵は一切関係無かったことがわかり、一安心。

その聖水的なものは、レモングラスと強烈な揮発性液体(アルコール?)
を混ぜたものだと思う。ヒンヤリして、いい匂いだし気持ちいい。

最後はそれを掌に注いでもらい、顔に塗り、手のひらに残った匂いを鼻で一気に吸う。

アルコールの揮発性物質が気管に入り、咳き込みそうになるのを我慢した。
すると、「咳き込むのを我慢しないで。咳き込むのがいいんだ。」
とシャーマンが言った。咳き込むことによって邪気を吐き出すのだという。

その後は存分に咳き込みながら吐き出し、涙目になったところで終了。
この浴びたものは、一晩は洗い流さない方が良いとのこと。



服を着て待合室に戻ると、咳き込んだ声を聞いていた奥さんが少しびびっていた。

奥「びっくりした、何があったの?」
俺「大丈夫大丈夫、ちょっと服脱ぐかもしれないけどビックリしないでね」

とだけ伝え、奥さんが占いの部屋に入って行った。

で、最後に案の定咳き込んでた。
終わった後に聞いたら、女性はキャミソールになるくらいまで上着を脱ぎ、
下も脱ぐことはなかったとのこと。
一安心(そのかわり、服はビチョビチョになっていた)。

外部写真だけど、まさに占ってもらった部屋とか風景はこれと全く一緒。


コカの葉っぱとキリスト沢山

裸になって生卵を当てる風景

シャーマンが話した内容は、夫婦揃って、色々当たっていた。

一つだけ紹介すると、占って貰ったシャーマンは、俺の癖を言い当てた。

 ・寝言
 ・寝ていて急にバッ!起きる癖

隣で寝ている奥さんを悩ませていた厄介な癖。
これを言い当てた。マジでビビった。

そして治した。マジでビビった。

寝言は帰国後に起こったハプニング以降再発したが、急に起きる癖は未だおさまっている。
神の力なのか、それとも心理的なところを操作したのかわからないが、
言い当ててさせないようにする技術?能力?は、半端ない。


Huasaoの街を出る前に、ガイドさんが
「ここでコーラを買いましょう。マチュピチュに持って行って、どこかで流して身を清めましょう」
という、なんかすごく良い気がする事を話したので、そのとおりにした。
Huasaoの売店でペットボトルのコーラを1本ずつ買い、持ち帰った。



往復3時間くらいの旅だったけど、ものすごい印象に残った村だった。
この旅で訪れた街の中では、一番海外を感じた部分かもしれない。

案内してくれたガイドさんに感謝。

まさに信じるか信じないかはアナタ次第だけど、
クスコ訪問の際に時間の余裕があるなら、Huasaoに行ってみると面白いと思う。




まとめ

  • クスコからHuasaoは、片道1時間弱
  • ガイドさえいれば、訪問は難しくない。
  • 土日は休んでいるシャーマンも多いが、占ってくれる人もいる
  • 信じるか信じないかは、アナタ次第


0 件のコメント:

コメントを投稿